東京・新橋01
新橋駅前広場は、広告によって場所性が確保される、そんな話を以前友人と話したことがあったのですが、実際広場に行ってみても言われるほど広告は気になりません。というか、意識しません。
広告の力は無意識的な記憶の片隅に入り込むことにあるのでしょう。
さて、サラリーマンの町として知られる新橋、ニュースのインタビュー映像でも酔っぱらってご機嫌のサラリーマンの方たちがこの駅前広場で取材を受けているのをよく見ます。
そんなイメージのある新橋では沢山お酒が飲もうと思い、先週末の土曜日の夕暮れの新橋の街を歩いて回りました。
新橋駅西口にはSL広場があり、その南側にはサラリーマンの聖地とも称されるニュー新橋ビルがあります。
歴史をたどると、戦後の闇市をまとめ上げて誕生したと耳にしたことがありますが、そんな背景もあって、土地所有や借家等の権利関係が錯綜していて、1971年に竣工してから建て替えは一度も出来ていないようです。そういえば、ようやく再開発の話が出てきているらしい話も耳にしましたが。
ビル内はいわゆる百貨店やショッピングモールの類とは違って、フロア内に小さい店舗がギッシリと入り込み、それが各階にあります。
商店街が重層化したビルの様でした。
この日は土曜日ということもあり、開いている店も少ないのですが、この40メートル程度の廊下で看板が奥まで続いているのが見えます。
各階ごとに商店会があるようです。
地下1階の地図はこんな感じになっていました。
店舗の分類が、「飲食店」、「ゲーム」、「スナック」、「その他」の4種類。この分類にまず驚きました。
スナックは飲食店には入らないようです。
その他ってのは一体何なのでしょう。
気になったので実際に見に行ってみたところ、アジア系の外国人が多いマッサージ店でした。
ゲームというのはゲームセンターのことで、子ども向けのUFOキャッチャーや対戦ゲームなどが置いてありました。
客は全然入っていませんでしたが、平日は利用者もいるのでしょうか。
とにかく、この異様な店舗並びと雰囲気はとても面白かったです。
新橋飲み歩きの第1軒目に、このニュー新橋ビルの地下にあったビール1杯目180円と宣伝する居酒屋に入りました。
新橋≒酒飲みが多い≒居酒屋が安い、という勝手なイメージで来たのですが、1杯目180円というのはだいぶ財布にやさしいですね。
さすが新橋です。
しかし1店目だし時間も早いので、少し食べたら2件目に行こうと思い、ビールとポテトサラダだけ頼みました。
お通しも来たのですが、注文は以上。
ニュー新橋ビルの異様な雰囲気も味わえたし、これは安く済んだと思ったのですが、会計をお願いするとビールは480円とあり、普通の居酒屋チェーンよりも高くついています。
店員さんに確認すると、1杯目180円は小サイズのみとのことで、普通の生ビールは中ジョッキとして注文されるので、この値段だったとのことです。なんてことでしょう。
会計を済ませ、17時過ぎに2軒目は赤札屋に向かいました。
ここは新橋でも有名な激安居酒屋です。
ですが、まだこの早い時間にも関わらず店内は大混雑でした。
席がまったく空いていないというので、あえなく退散しました。
やむなく近くにあった韓国料理屋さんに行きました。
たっぷり飲んでお腹もいっぱいになったので、会計を終えて外に出ると、外はとても寒く、3軒目は難しいと判断して飲み歩きを終了しました。
ニュー新橋ビルのインパクトを超える何かを見つけることはできませんでしたが、ニュー新橋ビルが象徴するところはサラリーマンの町としての新橋に強い親和性があり、偏った店舗の種類こそが新橋の特徴として街を形成しているのだと思いました。
ですから、必ずしも駅前広場に向かう広告が町の特性を規定しているというわけではなさそうです。
今回は飲み歩きに来たのですが、また日中に歩いて別の一面を探したいと思います。